帰国

帰国日の決定は赤ちゃんの耳次第

 小児科で赤ちゃんの鼓膜をチェックしてもらい、先生の許可が出たらいよいよ帰国の準備に入ります。鼓膜については個人差が大きく、早い赤ちゃんでは、生後2週間程度でついた方もいらっしゃいますが、当会では生後6週間たってやっとついたという赤ちゃんもいらっしゃいます。ここが決まらないと帰国の飛行機便の予約ができません。 

 また赤ちゃんは、帰国の前に突然熱を出したりすることもよくあります。帰国スケジュールは無理せず、余裕を見ておきましょう。

 

帰国日が決まったらやること

 帰国日が決まったら、まずは航空券の手配です。帰国の際は、行きにはなかった赤ちゃんの航空券の手配が必要です。ご利用の航空会社にお問い合わせください。

 また座席予約の際に「バシネット」と呼ばれる機内用ベビーベッドをぜひリクエストしてください。これがないと日本までずっと抱っこのままで帰国することになります。

 航空券が取れたら、赤ちゃんはハワイの日本総領事館に出生届を出し、日本人として「帰国のための渡航書」を取得して帰国します。この渡航書は有効期限が一週間しかありませんから、必ず帰国日が決まってから日本領事館へ行きましょう。即日発行されます。

  アメリカのパスポートは今回は使いません。というのは、アメリカパスポートで帰国すると、日本到着時に「3ヶ月以内にアメリカに帰国する航空券」がないと入国できないからです。この時は、赤ちゃんは日本人として帰国した方がのちのち便利なのです。

 

  また、帰国までに各医療機関への精算は必ず済ませてご帰国ください。その日までに先方の精算が間に合わない場合、日本のご住所を病院に伝えて請求書を日本に送ってもらうよう手続きしてください。

 

 ちなみに病院や医療費の「踏み倒し」は不可能です。アメリカでは債権の売買が一つのビジネスになっています。医療費に限らず、コンド代、レンタカー代、駐車違反の切符・・・etc.など様々な支払いをもし「踏み倒した」場合、回収業者に債権が売却される場合があります。

 回収業者は場合によっては連邦警察(FBI)にあなたを訴え、病院登録時のパスポート番号などのIDからあなたの身元調査を行い、数年かかってもあなたの日本の所在を割り出します。そして利子だけでなく莫大な手数料、迷惑料等を加算した請求書を持参し、忘れたころに来日します。場合によっては日本の警察にも連絡が入り、こうなると向う10年はアメリカに入国できなくなります。十分お気をつけください。

 

帰国当日の空港

 帰国当日、飛行機のチェックインの際で再度必ず「バシネット」を確認します。ホノルル空港は、チェックインカウンターから搭乗口まで長く歩きますから、ベビーカーは搭乗口まで持っていき、搭乗時のドアサイドで係員に預かってもらうことができますから申し出ましょう。

  ビジネスクラス以上では空港ラウンジを使えますから、当日はぜひ早めに空港に入ってください。そしてラウンジで魔法瓶に熱湯をたっぷりもらっておくと、機内でミルクを飲ませる時に便利です。


  

帰国便の機内では

 帰国便に搭乗したら、まず最初に必ず毛布をもらってください。飛行機の中はエアコンが効いていて赤ちゃんには寒い場合があります。

 また、離陸して上昇している間はミルクをあげてください。そうするといわゆる「耳抜き」ができ、鼓膜への負担が減ります。飛行機では大人でさえ耳がツンとするほど気圧の負担が鼓膜にかかります。「耳抜き」が上手にできない赤ちゃんは上空で痛くて泣いたりすることがありますから、注意してあげてください。
 また上空での安定飛行に入るまでにミルクを飲み終えてお腹いっぱいになったら、眠くなります。用意していたバシネットにそっと乗せて休ませてあげましょう。狭い機内ですから、日本までの時間ずっと寝ていてくれれば、ママも体を休めることができます。

 日本到着時の機体下降中もできればミルクをあげ、耳の負担を和らげることに注意してあげてください。

2001-2014 「ハワイで出産」研究会© All Rights Reseved